守ってダーリン!
7.広がる絆
車窓を流れる風景が、ビルの立ち並ぶグレーやブラウンの色彩から、茶畑の連なる緑色へと変化した。

新幹線に並んで座る私と市谷さんは、車内販売で買ったコーヒーを飲みながら、先日撮った写真を顔を寄せ合って眺めていた。

「かわいかったですね、龍一くん。」

ゴールデンウィーク明けに、玲奈と龍平くんの赤ちゃん、龍一くんが誕生した。

「死ぬかと思った」と玲奈は言っていたけれど、初産のわりにはスムーズなお産だと、助産師さんに褒められたそうだ。

とにもかくにも、母子ともに元気でいてくれたことが、何よりだったと私は思う。

「やっぱり、龍平くんに似てますね。」

「うーん・・・そうだな。赤ちゃんの顔って、あんまりよくわからないけど。

どことなく似てる気はする。」

龍一くんが目を開けているときの写真を見ながら、二人でそれぞれ意見を言い合う。

出産祝いには、私と市谷さん、二人揃って桐島家を訪れた。

私たちも結婚するつもりなんだ、という報告をすると、玲奈も龍平くんも、飛び上がるように喜んでくれた。

はじめは、「強引すぎる!」と思っていた、二人の厚意だったけど。

私と市谷さんが、いまこうやって一緒にいられることは、玲奈と龍平くん、二人のおかげにほかならない。
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