守ってダーリン!
「いやー。でも、市谷くんが里佳の旦那さんになってくれるなら、お父さんは安心だ!」


(!!お父さんたら・・・!市谷さん、まだそういう挨拶はしてないのに・・・!)


市谷さんもその言葉に焦りを感じたのか、ゴクンとビールをひと口飲むと、姿勢を正して咳払いした。

「はい・・・今日は、里佳さんと結婚させていただきたくて・・・。

その、お許しをいただければと・・・。」

「何度か練習したんだけど」と言っていた、「結婚させてください」という内容の彼の挨拶。

まさかのお父さんの先制攻撃により、それは大幅に違う文章に変化して、たどたどしく彼の口から出た様子。

けれどお父さんは、全く気にすることもなく。

「もちろんです!こちらこそ、もう、願ったり叶ったりで・・・。

どうか、里佳をよろしくお願いします!」

そう言って頭を下げるお父さんに続き、お母さんも一緒に頭を下げた。


(『本当に里佳を幸せにできるんですかっ!』みたいな、ドラマみたいな展開はないんだな・・・。)


反対されることはないと、もちろん思ってはいたけれど。

ここまで簡単に許可されてしまうと、なんだか逆に、拍子抜け。


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