守ってダーリン!
この状況に戸惑っているらしい市谷さんは「それで」と言って話を続ける。

「お姉さんも近々結婚されるそうなので、式とか・・・具体的なことは、そちらが落ち着いてからでいいと思ってるんですが・・・。

お姉さんが今のマンションを出るタイミングで、里佳さんと一緒に暮らしたいと思っていまして。」

緊張気味に話す市谷さんの言葉に、お父さんは「ぜひ!」と言って目を輝かせる。

「いやー。母さんと心配してたんですよ。里佳が一人暮らしになるなって。

でも・・・市谷くんが一緒にいてくれるなら安心だ!」

そう言って立ち上がると、お父さんは彼の肩をポン、とたたく。

「ふつつかな娘ですが、よろしくお願いします。」

「よろしくお願いします。」

お母さんも立ち上がると、お父さんとともに市谷さんに頭を下げる。

「あ・・・いえ、そんな・・・。」

恐縮したように、市谷さんも席を立つ。

「こちらこそ、よろしくお願いします。」

慌てて挨拶をする彼につられて、私も席を立ちあがった。

気がつけば、4人揃って起立状態。

なんだかその状況が滑稽で、私たちは顔を見合わせて笑ってしまった。
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