守ってダーリン!
(よかった・・・。優しいお母さんで。)


お父さんも・・・ほとんどしゃべってはいないけど、その姿は初対面の市谷さんの印象と重なって、自然と親近感がわいていた。

「今日は、どこかに泊まるんでしょう?」

新しいお茶菓子を出してきたお母さんは、ところで、といった感じで私たちに話しかける。

「ああ。そのつもりだったんだけど、オレが明日仕事になったから。日帰りで帰るよ。」

そう答えた市谷さんに、お母さんは「まあ!」と言って驚く。

「こんな遠いところまで来てもらって・・・。

里佳ちゃん疲れたでしょう。よかったら、里佳ちゃんだけでも、うちに泊まっていったらいいわよ。」


(えっ!?)


突然の提案に衝撃を受けた私は、口に入れたアーモンドチョコレートを、まるごとゴクンと飲んでしまった。


(そ、それは・・・無理です・・・!!)


チョコレートの粒を、必死にお茶で流し込む。

内心断固拒否するものの、「それがいいわ!」とにこにこしているお母さんに、何と返事をしたらいいものか、私は答えに困ってしまう。



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