守ってダーリン!
『里佳。』


(うーん・・・。)


『里佳。』


(・・・ん?市谷さん?)


『こんなところで寝たら、風邪ひくぞ。』


(うーん・・・大丈夫です・・・。)


『・・・しょうがないな。・・・よっ・・・と・・・。』


(ん?あれ?身体が浮いた・・・。ふわふわ揺れて気持ちがいいな。)


『よいしょ。』


(ん・・・?今度はフカフカした場所だ・・・。)


『・・・かわいいな。』


(えへへ・・・。褒めてもらえた・・・。)


『おやすみ。』


(・・・おやすみなさい・・・。)


夢の中で、私はむにゃむにゃと口を動かす。


(市谷さん・・・。)


彼の名前を呼ぶと、髪に、優しい手が触れた。

唇に、キスの感触がした。

夢の中でも、彼は優しい。

私はそんな彼の夢を見ながら、深い深い眠りに就いた。
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