守ってダーリン!
ベッドから飛び出してリビングに顔を出すと、ワイシャツ姿の市谷さんが、菓子パンを袋のまま頬張っていた。

「ああ。里佳、おはよ。」

寝起きの私に、彼はふっと笑って右手をあげる。

「ごめんなさい!私、昨日・・・。」

きっと、あのまま眠り込んだ私を、市谷さんはベッドに運んでくれたのだ。


(市谷さんに、偉そうなこと言っておいて・・・。)


彼を早く休ませようと思っていたのに、私がお世話をかけてしまった。

私は、自分自身にがっくりと肩を落としてしまう。

「いや、全然。疲れてたんだろ。」

昨日のことを思い出したのか、苦笑しながら彼が呟く。

「でも・・・。」

朝食を終えた市谷さんは、立ち上がると、私の傍に歩み寄る。

「本当にいいんだ。里佳は家事が得意な分、完璧にやろうってがんばりそうで心配なんだ。

だから・・・このくらいがちょうどいいよ。」

そう言って私の頬を撫でると、クローゼットに掛けていたスーツのジャケットをひらりと羽織る。

「じゃあ、行ってくる。」


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