守ってダーリン!
微笑んだ彼が、私の頬を優しく撫でる。

そのぬくもりに応えるように、私は彼の手に自分の手のひらを重ねた。

「なおくん。」

「ん?」

「その・・・『行ってきます』のキス、とか。」

そう言って、私は自分の唇に人差し指を当ててみる。

「・・・普通、『行ってらっしゃい』のキスだろ。だから、里佳からして。」

「えーっ!『行ってきます』ですよ。」

「いや、違う。『行ってらっしゃい』だ。はい、ここ。」

言い終わると、彼は自分の頬をツン、と指さす。


(もう・・・。絶対に、『行ってきます』だと思うんだけどな・・・。)


そう思いつつも、「じゃあ・・・」と言って大きく背伸びした私は、屈んでくれた彼の頬に、ちゅっと軽くキスをする。

「・・・やっぱりかわいいな、里佳は。」

そう言って満足そうに微笑むと、市谷さんは私を抱きしめてキスをする。

それは、果てしなく甘くて深い、とろけるような魔法のキス。

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