守ってダーリン!
20時半を過ぎると、「7 luxe」の店内は、空席が目立つようになっていた。

仕事帰りによく立ち寄ってくれる常連のOLさんに呼ばれ、追加のオーダーを伺っていると、キイ、と入り口のドアが開く音がした。

音の方向を振り向くと、店内に入ってきた直くんと目が合って、嬉しさと恥ずかしさが入り混じったような気持ちになる。

私にだけわかるくらい、小さく右手をあげてくれた彼に、私も軽く笑顔を返す。

私が接客中であることを確認した伊佐子さんは、「こちらへどうぞ」と言って、直くんを奥まった窓際の席へと案内した。


直くんとの結婚生活も、早9か月。

私たちは来月、待ちに待った結婚式を挙げる予定になっている。


(お姉ちゃんの結婚式も終わって、お父さんとお母さんも落ち着いたし・・・)


憧れのジューンブライド。

今日はこれから、結婚式の二次会の打ち合わせをすることになっている。

お互いの実家が遠方であることから、招待客が宿泊しやすいように、と、式・披露宴は駅近のホテルで行い、二次会は、ここ「7 luxe」が会場だ。

「二次会はしなくてもいいんじゃないか」と話したりもしたけれど、披露宴に呼びきれない彼の職場関係者も多く、やってほしいという要望もあったので、話し合いの結果、行うことに決めたのだ。


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