守ってダーリン!
結婚指輪は注文中。
ネックレスはプレゼントされたことがあるけれど、彼から指輪をもらったのは、婚約指輪が初めてだ。
自分で買った指輪を左手の薬指にはめる考えがなかった私は、仕事中、既婚者の印になるようなものは、なにもつけてはいなかった。
しばらく考え込んだ後、直くんは表情を曇らせると、「そうか」と言って目を伏せる。
「ごめんなさい。せっかくもらったのに・・・」
(贈った方としては、やっぱり・・・毎日つけてもらいたいものだよね・・・)
そう思って私が謝ると、直くんは「いや」と言って話を続ける。
「オレも、そのへんまであんまり考えてなかったから。
確かに、あれをつけて料理なんてやりにくいだろ。
でも・・・いつも言ってるけど、里佳は警戒心が薄いんだ。あんまり、隙を見せるな」
そう言って直くんが話を締めくくったタイミングで、伊佐子さんが私たちの元にやってきた。
「お客さんみんな帰ったし。そろそろ始めましょうか、打ち合わせ」
時計の針は、21時を過ぎていた。
千穂ちゃんが「お先に失礼しまーす」と言って店を出るのを見送ると、私は打ち合わせのお供に、と、直くん以外のみんなにもコーヒーを淹れるため、キッチンに入って準備した。
ネックレスはプレゼントされたことがあるけれど、彼から指輪をもらったのは、婚約指輪が初めてだ。
自分で買った指輪を左手の薬指にはめる考えがなかった私は、仕事中、既婚者の印になるようなものは、なにもつけてはいなかった。
しばらく考え込んだ後、直くんは表情を曇らせると、「そうか」と言って目を伏せる。
「ごめんなさい。せっかくもらったのに・・・」
(贈った方としては、やっぱり・・・毎日つけてもらいたいものだよね・・・)
そう思って私が謝ると、直くんは「いや」と言って話を続ける。
「オレも、そのへんまであんまり考えてなかったから。
確かに、あれをつけて料理なんてやりにくいだろ。
でも・・・いつも言ってるけど、里佳は警戒心が薄いんだ。あんまり、隙を見せるな」
そう言って直くんが話を締めくくったタイミングで、伊佐子さんが私たちの元にやってきた。
「お客さんみんな帰ったし。そろそろ始めましょうか、打ち合わせ」
時計の針は、21時を過ぎていた。
千穂ちゃんが「お先に失礼しまーす」と言って店を出るのを見送ると、私は打ち合わせのお供に、と、直くん以外のみんなにもコーヒーを淹れるため、キッチンに入って準備した。