守ってダーリン!
既婚者のシルシ。

突然の提案への驚きと、彼のヤキモチに対する、なんともいえないくすぐったさ。


(直くん的には、きっと明日からでもつけてほしいんだよね・・・)


そう思った私は、「じゃあ・・・」と言ってガラスケースを覗き込む。

元々好きなブランドだけに、どれもこれもかわいく見える。


(うーん・・・どうしようかな。せっかくだから気に入ったのがいいけど・・・)


ガラスケースの中を一通り見終わった後、ふっと目線を上げた私は、店員さんの後ろの壁に飾られているネックレスと指輪のセットに、ぱっと目を奪われた。


(かわいい!)


シンプルだけど、何気なく流れ星をイメージしているようなデザインは、まさに私のツボだった。

「つけてみますか?」

私の目線に気づいた店員さんは、そう言ってネックレスと指輪をディスプレイからはずしてくれた。

直くんも「つけてみれば」と言ってくれたので、私はおすすめされるまま、ネックレスと指輪をつけてみた。

「うん、やっぱりかわいい」

ガラスケースに載った楕円形の鏡越しに、首元と左手を映し出した私は、そう言いながら彼を見た。
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