守ってダーリン!
夕食を済ませて家に帰ると、私は早速、洗面台の鏡の前でネックレスと指輪をつけてみる。

真上から照らす電球の光が、シルバーの輝きをキラリと鏡に映し出す。


(うん、やっぱりかわいい・・・。うれしいな)


新しいアクセサリーを身に着けた私は、ウキウキしながらキッチンへ立つと、お湯を沸かしてカップにインスタントコーヒーを淹れた。

「はい、どうぞ」

引っ越し後に購入した、ナチュラルウッドのローテーブルに二つのカップを並べて置くと、ソファに座っている直くんの隣に、ピタッと身体をくっつけた。

彼はそんな私に微笑むと、「ありがとう」と言ってコーヒーカップを口にする。

「やっぱり、里佳の淹れてくれたコーヒーは美味いな」

「ふふっ、インスタントですよ?」

「里佳にしかできないさじ加減があるんだよ、きっと」

私の肩を抱き寄せた彼に、寄りかかるように身を預ける。

おでこに軽くキスを受けると、彼は私の左手を取り、胸の位置に持ち上げた。

「指輪、あんまり嬉しくなかった?」

切なげな彼の声。私は「え?」と聞き返す。

「無理矢理買ったみたいになって。

結婚指輪のつなぎっぽくて、嬉しくなかったかなと思って」

向けられた眼差しが真剣で、私は自然と頬が火照った。
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