守ってダーリン!
「うん!ピッタリだね。あとはこうやって・・・腰にリボンがつく感じでいいかな?」

「はい。よろしくお願いします」

挙式まであと2週間。

今日は、お姉ちゃんの小学校時代からの友人で、デザイナーをしている聡美さんのアトリエを、姉と二人で訪れていた。

挙式では純白のウエディングドレス、お色直しにはピンクのドレス、そして二次会の衣装は、聡美さん作のドレスを着ることになっていて、今日は、その最終チェックをする予定。

柔らかな空色の、ロング丈のドレス。

ふわふわと広がるシルエットのドレスは、肩紐代わりに連なるコサージュと、腰の位置で結ぶリボンがとてもかわいらしいデザインだ。

仮止め状態のリボンを縫い付ければ完成となるわけだけど、そこはあえて当日にするというのが、聡美さんのこだわりらしい。

「うん、我が妹ながらかわいいわー。直哉さん、惚れ直しちゃうかも」

鏡越しに私を見ながら、楽しそうに姉は笑う。

結婚後、私とお姉ちゃんはそれぞれの旦那様を「名字にさん付け」から「名前にさん付け」に呼び方を変更したわけだけど。

私はいまだ、その呼び名は、聞き慣れないし言い慣れない。

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