守ってダーリン!
「直哉さん、絶対に『かわいい!』って言うと思うよ」

「・・・そうかな?」

立て続けの姉の褒め言葉に照れながらも、私はやっぱり嬉しくて、思わず同意を求めてしまう。

「そうだよー。これは、当日までのお楽しみだもんね」

挙式と披露宴で着るドレスは、直くんと一緒に選んで、彼の前で試着もしている。

けれど、現在進行形で製作中のこのドレスは、当日初披露になる。

「里佳ちゃんのイメージだと、ピンクとか黄色も迷ったんだけど。

お色直しはピンクだし・・・なんとなく、初夏の空が似合う気がして」

聡美さんは、視線を動かしながら私の周りを一周すると、「うん、いいね」と言って私ににこっと微笑んだ。

「じゃあ、私も二次会楽しみにしてるから」

「はい。私も、ドレスが出来るの楽しみにしてますね」

二次会から出席予定の聡美さんは、私の言葉に笑顔で頷き、再びドレスの周りをぐるりと回った。


(楽しみだな)


ドレスはもちろん。

挙式も、披露宴も、二次会であるパーティも。


(緊張はもちろんあるけど・・・)


私は当日がとても楽しみで、待ち遠しくて仕方なかった。






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