守ってダーリン!
一度会っただけの女子から手作りのものをもらうなんて、男の人にしたら、ものすごく重く感じるような気がするけれど。

「だって、例えばお菓子とか・・・甘いもの、嫌いかもしれないでしょう?

スコーンならパンみたいなものだし、甘いものダメでも大丈夫だと思うんだよね。

安っぽいお菓子ってわけにもいかないけど、あんまり高価な菓子折りだと、今度は向こうの気が引けるでしょ?

その点、手作りなら値段関係なくそれだけで気持ちは伝わるじゃない。

それに、里佳の場合、「あなたのためにわざわざ作りました」っていうんじゃなくて、店に出してるものを包んだだけなんだから、重い感じにはならないと思うんだよね。

うん!絶対、スコーンがいいと思う!」

玲奈は一気に話をすると、「うん、それがいい」と何度も自分で納得している。


(正論のような、こじつけのような・・・。)


けれど、そこまでおすすめされると、反対するのも悪い気がして。

「じゃあ・・・とりあえずそのセンで考えてみようかな。」

「うん!絶対にいいと思うよ!」

渡すときに軽いノリで渡せば、重い感じにはならないかな・・・そう思った私は、スコーンを作ることも一案として、頭の中に置いておく。

「じゃあ、今度龍平に頼んでおくね。

忙しいかもしれないから・・・とりあえず、なにかのついでに寄ってって。」

「うん。そうしてくれると助かる。お願いします。」

そうして私は、市谷さんにお礼をすることが決まったのだった。






< 29 / 330 >

この作品をシェア

pagetop