守ってダーリン!
17時を過ぎると、ティータイムで訪れていたお客さんたちが続々と帰って行き、お店のお客さんの数が一旦ゼロになっていた。

夕飯にはまだちょっと早いため、食事の来店客もない時間。

そんなとき、タイミング良く玲奈からの報告が入った。

「里佳、龍平たち来たよ。」

「う、うん。」

私は伊佐子さんに一声かけてから、準備しておいた紙袋を手にして、龍平くんたちのいる入り口へと向かった。

玲奈は何気なく後ろからついてきてくれる。

「里佳ちゃん。」

私を見つけた龍平くんは、いつものように右手を挙げて笑ってくれる。

隣の市谷さんは、相変わらずの無表情。

「こんにちは。」

あいさつすると、軽く会釈をしてくれるけど、不機嫌なように見えなくもない。

それでもやっぱりかっこよくて、私の緊張感は一気に高まる。


(うう・・・憧れの先輩に告白する、後輩の気分なんですけど・・・。)


もちろん、告白するわけではないけれど、「受け取れない」と拒否されたらどうしよう、そんな不安に襲われる。


(ま、まあ、単なる気持ちなんだし!さらっと!さらっと渡そう!!)





< 31 / 330 >

この作品をシェア

pagetop