守ってダーリン!
「市谷さん、ここは、素直にありがとうって受け取るとこですよ。」

「いや・・・でも・・・。」

市谷さんの表情が、戸惑いに変わる。

「・・・お礼されるようなことしてないから。

フォローが悪くて、傷つけたくらいなんだけど。」

その言葉に、私は駅でのことを思い出す。


(あのときのこと・・・まだ気にしてたんだ・・・。)


こう見えて繊細なのかな、と、市谷さんの一面にちょっと驚く。

「それでも里佳ちゃんは感謝してるから、わざわざこうやってお礼してくれてるんですよ。

ここは受け取らないと。」

龍平くんは、内緒話のように市谷さんに話をしているけれど、完全に、私と玲奈にも丸聞こえ。

「・・・・・・じゃあ・・・どうも・・・。」

私と目を合わさずに、市谷さんは紙袋を受け取る。


(やっぱり、迷惑だったかな。)


微妙な反応に少し落ち込んでいると、龍平くんが突然、「ぷぷぷ」と言って笑い出す。

「市谷さん、そんな・・・久しぶりに女の子からプレゼントもらったからって、そんなに照れなくてもいいじゃないですか。」


(えっ!?これ、照れてるの!?)




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