守ってダーリン!
「・・・そんなんじゃない。ヘンなこと言うな。」

市谷さんは、横目で龍平くんを睨み付ける。

「だって、めちゃめちゃ動揺してるし。」

「そんなことない。」

言い争う二人。


(動揺してるようには、全く見えないけど・・・。)


様子を窺う私に、龍平くんは話を続ける。

「市谷さん、かっこいいからはじめは新人の子とかにもキャーキャー言われるんだけど。

普段もこんな感じだし、仕事中はもっと怖いから、みんなどんどん怖がるようになっちゃって。

バレンタインですら、誰も近寄ってくれないの。

あ、年配の婦警さんは相変わらず毎年くれますね。」

一旦市谷さんに話を振ると、「うるさい」と一喝されている。

「きっと、年下のかわいい女の子からプレゼントもらうなんて、相当久しぶりだから。

どうしていいかわからないんですよね?」

にやついた龍平くんの頭を、市谷さんはポコン!とたたく。

「どうでもいいこと話すな。」

市谷さんはかなりの怒り顔。


(龍平くん、すごい怖いもの知らずだな・・・。)


「里佳ちゃんの手作りスコーンも入ってるって聞いたけど?」


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