守ってダーリン!
「里佳ちゃんしか頼めないんだよ。

玲奈は妊婦だからさすがに行かせられないし、オレもずっと仕事だし。

市谷さん、実家も遠いんだ。

それに、里佳ちゃんが行ったら、喜ぶと思うんだよね。」


(それ、絶対にないと思うんですけど・・・。)


龍平くんの言葉を心の中で否定する。

「市民の安全のためにも、市谷さんには早く復活してもらわないと困っちゃうし。

本当に、里佳ちゃんしかいないんだ。

声も辛そうで、今にも倒れそうで・・・ちゃんとしたもの、何も食べてないと思うんだよね。

だから、里佳ちゃん、お願い!」

「・・・う、うーん・・・。」


(困ったな・・・。

そんなに悪いのかな?・・・うーん、どうしよう・・・。)


龍平くんには別の意図がありそうな気がしないでもないけれど、ここまで言われてしまうと・・・断るに断り切れない。

「うん・・・じゃあ、わかった。」

しばらく考えた私は、しぶしぶ頷く。

「ほんと?ありがとー!里佳ちゃん!

じゃあ、あとで住所と地図メールするから。

明日、市谷さんの家に着いたらインターフォン押す前に、オレに一度連絡くれる?」

「うん、わかった。」


(本当に、私が行っていいのかな・・・。)


市谷さんの反応が、恐ろしくてたまらないけれど。

病人を放置するわけにもいかなくて、私は市谷さん宅に行く心構えをした。

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