守ってダーリン!
市谷さんの家は、一人暮らし用と思われるマンションの3階だった。

オートロックではないので、エントランスをくぐると、そのまま自宅の前まで行くことが出来る。

エレベーターで移動して「市谷」の表札を確認すると、私はスマホを取り出して龍平くんに電話をかけた。

「あ、龍平くん。今着いたよ。」

「わかった。じゃあ、市谷さんに連絡するから、インターフォン押して。」

「うん。」

電話を切ると、私はインターフォンを「えいっ!」と押した。


(うう・・・なんか緊張する・・・。)


ドキドキしながら待っていると、しばらくして、目の前のドアがガチャリと開いた。

「・・・えっ・・・!?」

パジャマ姿の市谷さんが、私を見るなり、驚いたように目を見開く。

無精ひげをはやして髪もボサボサなのに、かっこいいところがすごい、と、私は冷静に観察してしまう。

反対に、市谷さんは、いつもの無表情が影を潜めるほどの驚き様。

なんとなく、イヤな予感。

「なんでキミが・・・。桐島は?」

「えっと・・・龍平くんに頼まれて・・・。

薬と・・・ごはん作ってきてって。」




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