守ってダーリン!
(わっ・・・!)


すぐに壁に手をついて自分を支えた市谷さんだけれど、よく見れば顔も赤いし、息遣いも荒い。


(そうだ、熱高いんだもんね・・・。)


「大丈夫ですか?」

「ああ。・・・ごめん、大丈夫。」

何気なく部屋の中を見ると、カップラーメンのごみの山。


(やっぱり、ちゃんと食べてないんだ。)


このまま帰っていいものか、どうしようかと考える。


(迷惑かもしれないけど・・・。ここまで来たんだし、もういいやっ!なるようになってしまえ!)


そう思った私は、大きなお世話を承知で市谷さんに申し出る。

「あの、ごはん作ったらすぐに帰りますから。

ごはんだけ、作らせてください。」

私の言葉に、彼はすぐさま顔を曇らす。

「いや。そういうわけにもいかない。」

「でも、すごく体調悪そうだし・・・。材料も、こんなに買ってきちゃったし。」

「いや、でも。」

「体調悪いときは、ちゃんと栄養とらないとダメですよ!」

渋る市谷さんの大きな背中を、私は強引に家に押し込む。

触れた身体は、パジャマ越しでもかなりの熱さ。

1LDKの間取りは、すぐに寝室がわかったので、私は市谷さんの身体をそこまでグイグイ押していく。
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