守ってダーリン!
「本当ですか?」

「うん。」

「よかった!」

心の底からほっとして、うれしくて、私は思いっきり笑顔になった。

ふと、顔を上げた市谷さんと視線が絡まる。

私はドキッとしてそのまま彼を見つめたけれど、一瞬眉を動かした市谷さんは、すぐに目をそらしてしまった。

「・・・やっぱり、キミはもう少し警戒心を持った方がいい。

よく知りもしない男の家に一人で来るとか。

あんまり褒められたことじゃない。」

「えっ・・・?」


(警戒って・・・そういうこと!?)


ここに来るまで、市谷さんに怒られないか、とか、ごはん食べてくれるかな、とか、そんなことばかり考えていたから、そういう・・・警戒心を抱くなんて考えは、全くなかった。

「えっと・・・その・・・龍平くんの先輩だし、病人だし・・・。」

とりあえずの思いを伝えると、市谷さんは厳しい顔つきで私を見る。

「桐島の先輩だろうが病人だろうが、キミ自身はオレのこと、ほとんどなにも知らないだろ。

危なっかしくてたまらないな・・・。」

ため息交じりに彼が呟く。



< 50 / 330 >

この作品をシェア

pagetop