守ってダーリン!
「もし、ここでオレがキミを押し倒したりしたら、どうするつもり?」

「えっ!?」

切れ長の熱っぽい瞳で見つめられ、私の身体は固まった。

心臓が、激しく音を立て始める。

「体調が悪いからって、それぐらい簡単だけど。」

私を捉える視線。

考えてみれば、密室に二人きり。

一気に血液が頭に昇り、頬が熱くなっていく。

「あ、の・・・。」

「子供じゃないんだから、それくらい考えた方がいい。」

身構えた私にそう言うと、彼は視線をすっとそらした。


(・・・冗談・・・?)


ほっと胸をなでおろすけれど、ドキドキとした余韻が残る。


(びっくりした・・・。

でも、頼まれたこととはいえ・・・やっぱり、私は考えが甘いというか・・・浅はかなのかな。)


チラリとそんな思いが湧き上がった私は、「ごめんなさい」と小さく呟く。



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