守ってダーリン!
(これは完全に・・・好きになっちゃった感じだよね・・・。)


ふわふわと浮き立つような気持ちで、私は帰り道を歩いていた。

名前を呼ばれただけで好きになるなんて、我ながら、どこまで単純なんだろう。


(ううん。それだけじゃないか・・・。)


照れながら言ってくれた言葉。

最後に見せてくれた表情。

今までだって、ちょっと怖そうだけど、どこかやさしい気がしてた。

ドキドキと、胸が鳴る。

新たに芽生えた感情に、ときめきが溢れてくるけれど。


(市谷さんは、私のこと・・・どう思っているのかな。)


彼が好きになってくれるなんて、かなり高望みな気がしてしまう。

龍平くんたちは、お似合いだなんて言ってくれるけど・・・。


(・・・って、龍平くん!!)


私ははっと思い出す。

帰宅すると、これだけは言わなくちゃと、龍平くんに早速抗議の電話をかけた。

「もう!龍平くん、ひどいよ!!」

「いやー、ごめんごめん!

正直に、市谷さんに内緒とか言ったら、絶対に断られるなーと思って。」

「断るよ、普通。」

「いや、ほんとごめん!

結果オーライってことで許してよ。」
< 55 / 330 >

この作品をシェア

pagetop