守ってダーリン!
「オーライじゃないよ・・・。」

「オーライだよ。市谷さん、喜んでたし。」

「え、ええっ!?」

龍平くんの言葉に、私は毎度のごとく耳を疑う。

「さっき電話あってさー。

まあ、最初はめちゃくちゃ怒られたんだけど・・・里佳ちゃんの料理がうまかったって感激してたよ。」


(感激!?)


市谷さんのクールな顔を思い出す。


(・・・。)


龍平くんのフィルターを通すと「感激」になるのかもしれないけど、市谷さん的には、「おいしかった?」って聞かれてうなずいただけか、「まずくなかった」って言ったくらいではないかと私は思う。

「嫁にしたいって言ってたよ。」

「ヨ、ヨメ!?」


(まさかっ!!)


「もう、本当に冗談やめて!」

「はは。ごめん。動揺した?」

「するよ、誰だって。・・・もう。」

「でも、感謝してるのはほんと。オレも、市谷さんも。

ありがとうね、里佳ちゃん。」

最後に改まって言われてしまい、私は仕方なく「うん」とうなずく。

「お礼もしたいし。また今度連絡する。」

龍平くんはそう言うと、「おやすみー」と言って電話を切った。
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