守ってダーリン!
疑問形で言葉を発した彼は、そのまま数秒間私を見つめた。

その視線に、私の顔は否が応でも熱くなる。

「あ、ごめん。

・・・いや、いつもとずいぶん雰囲気が違うなと思って。」


(ドキ。)


やっぱり、気合いを入れてきたのはバレバレらしい。

本当に、礼儀だけで誘われたのだとしたら、イタイ感じに思われちゃうかな・・・。

そんな不安を感じながら、次の反応をドキドキと待つ。

「いいと、思うけど。」


(え?)


市谷さんが、視線をそらしてポツリと呟く。

そのまま、間髪入れずに「行こう」と言って歩き出したので、私は慌てて彼の後ろをついていく。


(いまの・・・褒めてくれたのかな・・・?)


そっけなさすぎて、よくわからないけれど。

私は少しだけ、気持ちが弾むようだった。
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