守ってダーリン!
「里佳さんみたいな子は、ああいうの、あんまり好きじゃないのかと思ってた。」

「え?」

「料理が好きみたいだし。

ああいうのに頼らないで、きちんと食事から栄養摂らないとって。

邪道な扱いなのかと思ってたけど。」

「邪道って・・・。普通に飲みますよ。

それに、そんな風に思ってたら、市谷さんに持っていけないです。」

「そっか。」

また、優しく笑う。

ドキドキと、心臓がうるさい。

「そうだ・・・前にもらった、パンみたいなやつ。

あれもうまかった。お礼言うの忘れてたな。」

「あ、スコーンですね。・・・なら、よかったです・・・。」

悩みに悩んで渡した手作りのもの。

どうだったかなと気になっていたから、いい感想が聞けてほっとする。

「あの店は、働いてから長いの?」

「いえ。まだ半年くらいです。前はOLやってて。」

「へえ・・・OLか。料理の仕事がしたくて転職したのか。」

「いえ、全然・・・。そこも食品関連の企業でしたけど、根性なしで辞めちゃったんです。

結構ちゃんとした会社だったので、後になって後悔したりもしたんですけど・・・。

なかなか次の職場が見つからなくて落ち込んでた時に、玲奈・・・龍平くんの奥さんが紹介してくれたんです。」


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