守ってダーリン!
なんとなく恥ずかしさを感じつつも、正直に話しをした私。

市谷さんは表情を変えずに「ふうん」と呟く。

「でも、よかったんじゃないか。

里佳さんには、今の職場は合っているみたいだし。

OLをしたのも、いい経験だろ。」

淡々と肯定してくれる市谷さんの言葉は、不思議なくらい、私の心を温かくする。

宙ぶらりんだと思っていた自分の過去に、意味を見つけてもらえたような、そんな感覚。


(こんな気持ちになるのは・・・市谷さんだからかな?)


ふと、彼のグラスに視線が向いた。

骨ばった大きな手が視界に入ると、私のドキドキが再開して、焦るように話題を振る。

「あ、そうだ!えっと・・・そういえば、普段はどういうところで飲むんですか?

さっき聞いた感じだと、いつもは違うところで飲んでるのかなって。」

「ああ、うん。ここは、同期のやつが好きでたまに来るんだけど。

あとは、オヤジしかいないような居酒屋で飲んでる。」

「そうなんですか。」

「初めて連れてくるのに、焼き鳥屋ってどうかと思ったんだけど。

ここはキレイな感じだし、女の子も結構店で見かけるから。

初めて行くところで、失敗しても困るし。」





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