守ってダーリン!
俳優さん相手に接客しているような緊張感。

向かい合わせに座った二人に、私はそれぞれメニュー表を手渡す。

ドキドキして、手が少し震えてしまう。


(一般人でこんなにかっこいい人いるんだ・・・。

しかも刑事って・・・まさか本当に、刑事役の俳優さんとかじゃないよね?)


そんなことを考えながら、とりあえずその場を去ろうとすると、引き留めるように玲奈が小走りでやってきた。

「おつかれさま。」

「おー、玲奈。おつかれ。」

「市谷さんも、おつかれさまです。」

玲奈は龍平くんに軽く声を掛けてから、「市谷さん」と呼んだ龍平くんの先輩に、しっかりと妻の顔で挨拶をした。

市谷さんは、表情を変えずに「どうも」と言って会釈する。

その様子をぼんやりと見ていた私に、玲奈はにこっと微笑んで、驚愕の提案をし始めた。

「伊佐子さんがね、今日お客さん少ないから、私たちも一緒に食べていいって言ってくれたの。

里佳、一緒に食べよ?」

「えっ!?わ、私も!?」

金魚のように、口をパクパクさせる私。

「うん。いいよね?龍平。」

「もちろん!かわいい女の子が増えるのは大歓迎だよー。ね?市谷さん。」




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