守ってダーリン!
話を振られた市谷さんは、メニュー表を見たまま「構わないけど」と低い声で呟く。


(う・・・なんか、迷惑そうだけど・・・。

いや、どちらかというと、心底興味がなくて、どっちでも構わない的な感じかな・・・。)


そんな印象を受けるけれど。

いちおう、みんなのOKが出ている状況で、ここで頑なに拒否するのも、なんだか感じが悪そうで。

「う、うん・・・じゃあ・・・。」

おずおずと了承する。

「うん!ほら、そしたら里佳はそっち、市谷さんの横に座って。」

「ええっ!?」

失礼ながら、拒否感たっぷりの声を出す。


(無理!絶対無理!!緊張する!!!)


「だって、里佳が龍平の隣で、私が市谷さんの隣っていうのも、なんかヘンでしょう?」

たじろぐ私に、玲奈がこそこそ耳打ちする。


(・・・確かに。)


頭の中で座席位置のシミュレーションをした私は、玲奈の理論に納得し、「わかった」と言って市谷さんの左隣に移動する。

「失礼します・・・。」

椅子を引きながら市谷さんに声をかける。

彼は一瞬だけ私をチラリと見たけれど、すぐに視線をメニュー表に戻してしまった。


(・・・怖い・・・。)




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