思い出にっき
6月26日
人は何度でも
人を好きになれるのなら
あなたに抱いた感情は
恋とか愛ではないのかもしれないね
あの時みたいな気持ちには二度となれないと思うから
あなたを思うことはもうなくても




7時。
目覚ましが鳴る。
勢いよく起きた。
こんなに目覚めのいい朝は久しぶりだった。
むくりと布団をはいで、ベットから足を床に落とす。
ヨロヨロと動きだして、台所のシンクで顔を洗う。
テレビをつけると、いつもの朝のニュース。
それを横目に見ながらお弁当箱にご飯と冷凍のおかずを詰める。
いちよ、彩りも考えているつもり。
化粧は10分で終わるけど、いつも着ていく服を考えるのが長い。
いつも適当に着てると思われているけど、それなりに考えているんだ。
いつもと変わらない朝。

同じ時間に起きて、同じ化粧をして、同じおかずを詰めて、同じ整髪料で、同じ髪型にして、同じような服をきて、同じところへ向かう。

変わらない日が毎日つづく。

変化は求めていないけど、ときどき急に、見失う。

自分の奥底にある消化不良な気持ちがぐつぐつと沸騰してきたみたいな。

あふれだしそうになっているんだ。

それを表の自分が分厚い蓋をする。

いいのか悪いのかわからないけど、こうしてあたしの均衡は保たれているんだ。

電車に乗って、5駅先で降りる。

改札までの長い階段はいつも一気にのぼる。
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