博士と渚くん
「泣きたい時は泣いてよ。俺にくらい心許してよ。俺はいつだって博士の味方なんだから」

「……?」

泣く? なんで?
なんか泣くところあったっけ?

「俺の前で無理して笑わないで」

誰かの前で無理して笑ったことなんてほとんどない。
そんな器用なら、もっと楽しい青春を送れただろうに。

「兄ちゃんにはもう甘えられない。博士の恋は叶わない」

……はい? え? ええっ?

「えっと…渚くん?」

「……なに」

「私が恋? 司さんに?」

衝撃。初めて聞いた。
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