博士と渚くん
「え、違うの…?」

「違うよ!」

「兄ちゃんにべったりだったじゃん」

「たしかに懐いてたけど、恋ではないです」

危機を救ってくれた恩人に懐いていただけ。
周りのみんなを怖がっていたから、唯一信頼できる人にすがっていただけ。

「兄ちゃんと会うたび嬉しそうだったじゃん」

「それもさっきと同じ理由」

あと、司さんと会う日は渚くんも楽しそうにしているって理由もある。

「……さっきだって寂しそうな顔してたじゃん」

「それは、その、渚くんもいつかああやって結婚していくんだろうなって思って。なんか寂しくなっちゃった」

渚くんは力なく笑った後、ぐでっと倒れ込んだ。

私の上に渚くんが乗っている状態。密着度すごい。
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