博士と渚くん
「宮地!」
休み時間、誰かが渚くんを呼んだ。
声の持ち主を見るとそこには教師が。
ちなみに私もこの高校の卒業生。随分前の話だけど。
だからこの教師に見覚えがあった。
名前は忘れたけど、嫌な記憶なら鮮明に残っている。
「何か用ですか」
爽やかな笑みを浮かべる渚くん。
さっきまで寝ていたから機嫌がいいのだろう。
「お前に話がある。来てくれないか」
渚くんがお呼び出しだ。
立ち上がる渚くんの服の裾を引く。
これは行かない方がいい。