博士と渚くん


「お嬢ちゃん、何してんのー?」

目の前に、スーツを着たおじさんが立ち止まった。酒臭い。酔っ払ってるな。

「……」

話しかけて来ないで欲しい。
初対面の他人と話すほど、コミュニケーションは上手くない。
てか、正直怖い。

「なに、無視ー?
俺みたいなのに構ってられないって? へぇ、見かけによらず高飛車だなぁ」

「……」

何の許可もとらず隣に座ってくる。

「酒臭い。触れて来ないで気持ち悪いから」

はっとした時には遅かった。
本音がポロリしちゃうってのは、トラブルに直結するってこと。

今のように。

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