博士と渚くん
「……ほら、相手してくれよ? どうせ暇なんだろ?」

何の理屈でそうなるのか。
私は暇だからって他人と関わるような人間ではない。

「!」

動けずにいると、おじさんの手が頭をロックした。がっしり掴まれて動かせない。
そんな私の顔に、おじさんは唇を近付けてきた。

「やっ…!」

体が震える。いつぞやの感覚が蘇る。

なんで私の周りには変質者が寄ってくるのだろう。

アルコールの臭いが近付いてくる。
徐々に近寄ってくるおじさんの顔を見ていられなくて、強く目を閉じた。

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