博士と渚くん
「いや、そりゃスミレのことは嫌いじゃないしむしろまぁ好きだけど、友達としてだよ。英語ならライク。
博士への好きはラブだ。異性として、これからも一緒にいたいのラブ」

顔真っ赤にして口を押さえながら話しているところを見ると、飴の効果で無理やり言わされている本音みたい。

「……!
え、渚くん、今私のこと好きって言った!?」

「え? 言ったよ」

さらっと答える。
初めて聞いた! すっごく嬉しい!

「初めて聞いたよ!」

「言わなくてもわかってよ。
俺が、友達の為にご飯毎日作って社会に戻れるように細工したりすると思った?
しかも兄ちゃんに振られても立ち直れるように、わざわざ新田にまで合わせたりして。俺じゃ兄ちゃんの代わりになんてなれないからね。
全部博士のことが大好きで、幸せになって欲しいからこその行動だったんだけど」

渚くんは何かが吹っ切れたかのようにまくし立てた。

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