博士と渚くん
「そういやさ、新田にもお礼言っといて」

「新田くん?」

「博士があの公園にいるって教えてくれたの、あいつなんだ」

「そうなんだ!」

たしか文化祭の日に連絡先交換したはず。
あとでメールしよっと。

「渚くん、本当にありがとね」

「ん?」

「渚くんが来てくれなきゃ、また外に出れなくなるところだったよ。
必死に走ってくれたんだね」

あんなに家を出たくないと言っていたのに。

「本当に心配だったんだから」

渚くんは軽くデコピンをしてきた。
今日のことに関しては本当、ごめんなさい。

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