博士と渚くん
「その知ってる奴って、もしかして大槻唯のことですか?」

「っ! そうだ!」

「仮に唯とあの子とに関係があるとして、先生に何か関係あります?」

「あいつと俺は相思相愛だったんだ!」

違う! そうつっこみたいけど我慢。私は本来ここにいるべきじゃないのだから。

「あんなに愛し合っていたのに、忽然と姿を消した! 知ってることがあるなら教えてくれ!」

愛し合ってなんかいない。
あいつはいわゆるストーカーだ。
あいつのせいで外に出るのが怖くなったこともあったし、大学まで辞めるはめになった。

どこにいってもいるあいつへの恐怖。
そう簡単に払拭出来ない。
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