博士と渚くん
「先生が唯と、ね。
じゃあ唯のこと教えてあげますよ。
実はね、俺と唯付き合ってるんです。俺が卒業したら結婚もする予定で」

何を言ってる。そんな約束をした記憶もなければ渚くんと付き合った記憶もない。

「で、実はあの子、俺と唯の子どもなんです。
避妊失敗しちゃって。まぁだから結婚って話になったわけですが」

教師は何も言葉を発さなくなった。馬鹿か。
どう考えても年齢おかしいじゃん。
仮に今の私が7才として逆算したら、私が15才、渚くんが10才の時の子どもになる。

「先生に代わって幸せにしますよ、二人とも。では失礼します」

渚くんはそう言って立ち上がる。
足音が近付いてきたから慌ててその場から離れた。

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