博士と渚くん
「また失敗ですか? 懲りないですね」
研究室のドアが開き、男子が入ってきた。
研究室って言っても古いし狭いし設備も整っていない。
…というか、古いアパートの一室だ。
「おかえり渚くん」
男子に声をかける。
日本人離れした端正な顔立ちの彼は、宮地渚くん。
隣の部屋に住む男子高校生だ。
「いい加減素直に働けばいいのに」
「働いたら負けだと思ってる」
「うわー、潔いクズだ」
渚くんはケラケラと笑った。