博士と渚くん
「本当に君、お母さんに似てるね。すごく可愛い」

ぞわっとする。
神様早くこの人を私から遠ざけてください。

「君のお母さんは最低な売女だよ。俺と愛を誓った仲なのに、年下の男と君を作ったんだ」

愛なんて誓ったことない。
この人に限らず人生で一度も。

「あの日も惜しかったなぁ。もう少しで俺達がひとつになれたのに。
そしたら君の父親は俺だったかもね」

動けない私の肩に手を回してきた。
あの日のことを思い出す。逃げられない。怖い。泣きたい。

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