博士と渚くん
「渚くん…逃げ…」

渚くんに怪我なんてさせられない。
その一心で私が言うと、渚くんは笑みをやめた。
真剣な表情の渚くん。ストーカーとは別の意味で怖い。

「逃げる? 冗談でしょ。
博士の人生を狂わせたこいつを許せるわけない」

「俺の愛の邪魔をするな!」

ストーカーが私を床に投げつける。
床に散らばったガラスで指を切ってしまった。痛い。

……って、そんな場合じゃなくて!



バチィッ

電気が弾ける音が部屋に響いた。
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