博士と渚くん
「……」

渚くんが悲しそうに目を伏せた。心が痛む。

「俺の厚意、迷惑だったんですね」

「いや、えっと…そんな……」

「いいんです、気にしないで下さい」

悲しそうに笑う。
やめてよほんと! その表情すっごく苦手なんだから!

「迷惑なわけないでしょ! あー美味しそう!」

もうヤケクソ。
渚くんが差し出してきた袋に入っていたクッキーを全て口に放り込んだ。

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