博士と渚くん
「ん……」
目が覚めるとみそ汁の美味しそうな匂いがした。
隣にいたはずの渚くんは今いない。
きっと朝ご飯でも作ってくれてるんだろう。
「……?」
実は小学生サイズの私の着る服なんてなくて、渚くんにブラウスを借りていた。
当然ブカブカだったそのシャツが、少し縮んだ気がする。
不思議に思いながら起き上がると、視線が昨日よりも高くなっていることに気付いた。
「もしかして!」
驚きの瞬発力で布団から脱出。
鏡に顔を映す。このくたびれた感じは22才の私だ。
「どうしたの博士」
可愛らしいエプロンを装着する渚くんが顔を向けた。
ちょ、待った。下履いてないから。
ベッドから布団を引っ張り、下半身を隠した。