博士と渚くん

村娘はやっと会えた喜びと、王子の妻になることを選んだ申し訳なさに、動けずにいました。

それでも怪盗は村娘に近付きます。

そしてベッドのそばに立ち、村娘を見つめます。
甘い時間が流れているような気がしました。

村娘を見下ろす怪盗は、何かを迷っているようです。

「どうかしたの?」

怪盗は意を決し、自らの仮面に触れました。

そして、その仮面をとり、素顔を晒したのです。

< 60 / 148 >

この作品をシェア

pagetop