博士と渚くん
「ヒントです。博士、ちょっと立ち上がって鏡の前に行ってみなよ」

渚くんはニコニコと笑う。
私はよくわからないままに言われた通りに動いた。

あ、動きにくい。
バランスがいつもよりとりにくい感覚。
それに、なんだかいつもより視線が低いようなーーってか完全に低い。

もしかして、と嫌な予感がする。

いや、でもまさか。そんなこと可能なの?

私は心の中で自問自答を繰り返した。
頭の中に浮かんだ考えなんて捨て去りたかった。


そして私は鏡に自分の姿を映した。
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