博士と渚くん
博士の夢
夢を、見た。
渚くんがスミレちゃんを連れて来て、結婚すると私に告げる。
私は当然喜んだ。
だけど、渚くんとスミレちゃんが私から離れていく。
当然だ。渚くんにだって渚くんの人生がある。
いつまでも私の世話なんて焼いてられない。
それでなくても、私は彼にすごく甘えている。
そんな私に呼び止める資格なんてあるわけない。
私は呼び止めることも追いかけることもせず、遠ざかっていく背中を見つめた。
……すごく、すっごく、寂しかった。