電波に乗って

午後もいつも通りの仕事。
会議用の資料作成。
『莉子~ちょっとちょっと』
同期入社の歩美だ。
小柄でボブヘア。
いつもチャキチャキしている
歩美はあたしの親友。

『今夜、どう?』
歩美は飲む仕草をアタシに見せた。
「今日は裕二と約束あって…明日ならok」
そう言うと
『了解!』と一言いい、歩美は自分のデスクに戻った。
同じ30女。
彼氏ナシ。
仕事に生きると決めてからやけに逞しく見えるが本当は寂しいんだと思う。
だからアタシはこうして週に2日ぐらいのペースで食事や飲みに誘われる。

入社以来、歩美には何度も助けられた…。

だから歩美の誘いを苦に感じた事は一度だってない。
気を許せる頼もしい仲間だから…。

今夜は久しぶりに裕二に会う。アタシの彼氏だ。

2つ上で設計の仕事をしている…。
収入、ルックス、文句なしの男。
身長178、痩せ型、眼鏡。
知的なイメージで社内でも
人気があると何度か会った事のある彼の知人から聞いた。

そんな裕二はアタシと
もうかれこれ5年
付き合っている。


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