電波に乗って
なんとか仕事には間に合った。
でも頭がうまく追いつかない。
小さな社会。
二次元社会。
携帯電話の中の
小さな小さな世界に。
変化のない
PCの入力作業。
資料作成。
これが三次元。
あたし莉子が生きている場所。
携帯を開けばhaluが生きている二次元の世界。
あたしはこの2つの世界をこれから毎日行き来するのだ。
不思議な気持ちと
不安な気持ちと
秘密事を抱えてしまったようなドキドキ感を
毎日楽しむんだ。
彼には内緒にしよう。
誰にも内緒にしよう。
あたししか知らない
あたしだけの場所にするのだから。