後ろの姉
次の日の昼
一日たったところで、衝撃は消えなかった。


高校時代の友人、梓とひとみには、それぞれ弟がいる。
どうしても「姉」という存在がどういうものなのかわからず、
彼女らに話した。

でも、話したところで、どこかのメロドラマのような話。
信じてはもらえたが、彼女らには「兄弟」という存在が当たり前なのだろう。
よくわからない答えしかもらえなかった。


一年前から付き合っている恋人にも話した。幸堵(ゆきと)だ。
男三人兄弟の末っ子。彼にも「兄弟」がいた。

はじめはそりゃあ、驚いていた。
でもそのあと、ぽつりと一言。

「あのたい焼き屋、一緒に行きたかったのにね。」

そうだね、と言いながら、同じことを考えたのか、と
少し思った。

そして彼はそのあと、
「まあ、会うなって言われてるんだし、しょうがないよね。」
付け加えるように、
誰に言うでもなく、
寂しげに言うのであった。
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